思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

人生変わった瞬間

今週のお題「人生変わった瞬間」

 

人生が変わった瞬間は間違いなく上の子を出産した時だ。

無痛分娩希望だったのに、「産みの苦しみ」を知らないといけないという院長の考えで無痛分娩できず、陣痛に苦しみ、痛いのにお産は進まず、院長への恨み言を付き添いの看護士さんに聞かせながら、のたうち回っていた。

 

半日以上が過ぎて、院長が「陣痛促進剤を打とうか?」と聞いてきたときには、正常な思考力はなく、ただただこの苦しみから解放されたくて、なんでもいいから早くだして、という気持ちでいっぱいだった。

 

正直、院長への憎しみの気持ちでいっぱいだったが、子供が生まれた瞬間、まさにすべてが吹き飛んで、世界で一番幸せな人になった。

 

ドラッグをやったらこんな多幸感に包まれるのだろうか?というような、アドレナリン全開のほんとうにハッピーな気持ちになって、あの憎たらしい院長に対しても「ありがとう」という感謝の気持ちさえ生まれるほど、幸せな瞬間だった。

 

産後の入院生活は幸せそのもの。

とにかく寝て、食べて、決まった時間に授乳に行くだけ。

食事も「こんなカロリー過多でいいの?」と思ったけど、おいしいし、食事中は他のママとも仲良くなって、なんかすごい順調なママ生活のスタートだな~と思ったけど、退院後は地獄だった。

 

その当時すでに実母は他界していて実家は頼れず、義両親も頼れる状況ではなかったので、文字通り一人きりでの育児スタートとなった。

当時は配偶者が育休を取る時代でもなく、退院時に1日か2日休んでくれただけ。

 

おまけに我が子は「鬼の子なの?」というくらい、寝ないし泣くし、片時もゆっくりできなくて、産後の私は間違いなく鬱だったと思う。

一人きりで育児をすることは分かり切っていたのに、なぜか準備不足な自分の至らなさを呪いつつ、ほんとうに毎日疲れ切っていたし、正直子供をかわいいと思う余裕もなかった。

 

最初の一年くらいは毎日辛くて、街をいく人たちがみんな幸せそうに見えて、なんで私だけこんな暗い気持ちで、悲惨な子育てしてるんだろうって思っていた。

 

だから今でも子育て中の人を見ると、傍からは幸せそうに見えるけど、あのお母さんも家では泣いているかもしれない、とか思う。

ただの幸せなお母さんだといいなと思いつつ。

 

すっかり子供も大きくなった今では、ただの昔話になった。

 

でも、当時、すごく弱っていたから、人からのちょっとした親切がすごくありがたくて心の底から感謝したし、人の情けがありがたいって本当に思った。

 

たかが育児と思われそうだけど…

 

日々の生活で感謝の心を忘れてるなと思った時には、私が平和に暮らしていられるのは自分一人の力ではない、とこの当時のことを思い出す。

そうすると少しは感謝の念がわいてくるのであった。