思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

こっくりさん

特別お題「今だから話せること

 

中学生の頃、女子の間で『こっくりさん』が流行った。当時は放課後の教室が開放されていたので、放課後教室に残って『こっくりさん』をみんなでしていた。

 

わたしはそういった心霊的なものを信じていなかったので、正直あまり好きじゃなかったけど付き合いでやっていた。だから本気で信じて、時には怖くて泣き出したりする子を内心バカにしていたかもしれない。

 

とにかくその時も友達2~3人と『こっくりさん』をしようということになって、プリントの裏に鳥居の絵や「はい」「いいえ」「分からない」といった言葉や五十音を書いて、五円玉を用意した。

まず、鳥居の下に五円玉を置きみんなの指を五円玉に突き立てる。そしてみんなで「こっくりさんこっくりさん、こちらにお越しください…」のような感じで始めるのだ。

内心退屈だったわたしは早く終わらないかなぁと思ってやっていたのだけど、友達の一人がその当時好きだった男の子が自分のことを好きかどうか聞くと言い出した。そして「こっくりさんこっくりさん、○○くんの好きな子は私ですか?」と質問した。その時わたしの心によからぬいたずら心が湧いて、わたしはそれとなく指先に力を入れて五円玉を「はい」のほうに誘導した。

 

「ちょっと動かしてるんちゃう?」と言われたけど、「そんなことするわけないやん、怖いもん」と誤魔化した。「はい」という答えになった友達は有頂天だった。わたしも一緒になって喜んだふりをしていたけど、ちょっと不安になってきた。

 

もしかして、告白とかしちゃうんじゃないだろうか?と。その結果、振られでもしたら友達を傷つけることになるし、下手したらわたしが恨まれることになるかもしれない。『こっくりさん』でいたずらをしたなんて一部の女子からはめちゃくちゃ嫌われる行為だ。わたしは何だか怖くなっていた。

 

しかし友達は自分から告白するのは嫌だったようで、相手からのアプローチを待っていた。結局中学を卒業するまでその二人には何もなかったし、その男の子は誰とも付き合ったりしなかった。

 

そして中学を卒業した後はその友達とは違う高校に進学したこともあって、付き合いもなくなった。

 

今となっては子供時代のささいな話だけど、当時のわたしは真剣にいたずらをしたことがバレたらどうしようと思っていた。相手を傷つけるかもしれないことより、自分が恨まれることのほうが怖かった。自分勝手だったと思う。

今でもその時の自分のやったことを思い出すと、我ながら嫌な奴だなと思い、少し落ち込む。多分相手は覚えてもいないだろうけど。

 

これってある意味『こっくりさん』の祟りだよねぇ。やっぱり『こっくりさん』は怖い。