思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

夫の『成瀬』待望論

このたび本屋大賞を受賞された宮島未奈さんの小説『成瀬は天下を取りにいく』は地元滋賀が舞台の小説である。
小説にでてくる土地は滋賀県民のわたしにはなじみの深い場所が多いし、主人公『成瀬』が通学している高校は次女の通っている高校でもあるので、勝手に親近感を抱いていた。なので今回の受賞は本当に嬉しい。

 

 

 

 

しかし、夫の喜びようは別格だった。
長女から「成瀬が本屋大賞取ったー」と聞いた瞬間、「えーーーっっ、めっちゃすごいやん!!」と叫び、「いやぁ、さすがやなぁ、面白いと思ったもん」とか「滋賀の誉やな」とか他にも何かしつこく言い続けている。

えっと、うちって宮島さんの親戚か何かでしたっけ?

 

挙句に「こうなったら成瀬に西武を呼び戻してもらおう」とまで言い出す。
(作中で主人公成瀬は滋賀から撤退した西武百貨店を再誘致する旨の発言をしている。確かに西武がなくなった時、県民はいたく悲しんだものだったけど)

 

えっと、成瀬って実在の人物でしたっけ?

 

このように彼は感動するとその表現が過剰なので、そのためわたしたち家族をシラケさせることが度々ある。
夫が勧める映画や本にもいいものはあるのだろうと思う。
だけどあまりにも熱く勧めてくるので、どうしても手に取ってみようと思えない。

 

これって人間心理の機微よね。
人って誰しも「自分で選んだ」と思いたいもの。他人から熱く勧められると自分の選択権を奪われたと無意識に感じて、それを選ぶのに抵抗がでちゃう。
夫にはもっと人間心理を学んでほしい。
『成瀬…』を先に読んでおいてよかった。夫が先に読んでたら読まずに終わるところだったわ。

 

でも『成瀬…』は面白かったので、お時間があったら読んでみてくださいね。
あんな女子高生はおらん、と現役女子高生の母は思いますけど、ある種大人から見たファンタジーですね。あんな若者に現れてほしいという。