思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

子どもたちの打ち明け話

子供は危険。
小学校低学年はまだプライバシーの感覚がないので、なんでも包み隠さずしゃべっちゃう。塾の子供たちも然り。休み時間にはいろんな話題が飛び交う。

 

微笑ましいものでは、昨日の晩ごはんに何食べたとか、最近お母さんが忙しくてラーメンが多いとか、お父さんがよくおならするとか、実は他の塾の春期講習にも行った、とかそういうもの。

 

ちょっと困ったものとしては、お父さんの年収がいくらだとか(なんで知ってるんだろう?真に受けるわけではないけど)、お母さんが今度入院するとか、そういうもの。

プライバシーに関わることなので、そういったことを子どもたちがしゃべりだしたときは「はい、そういうことは外で言わんほうがいいからやめとこか」と注意するんだけど、そうすると返って「え、別に言ってもいいんやで」と言ってますますしゃべろうとするから難しい。

 

少し黙って聞いてあげて別の話題を持ち出してさりげなく気を逸らす、というのが一番いいかなと思っている。

 

ところで先日Aちゃんが「お父さんとお母さんが喧嘩した」と言い出した。
おやおやまたプライバシー案件だわ、と思ったので、「そうなん?まぁ、そういう時もあるわなぁ」と返事して、違う話題に誘導しようとしたのだけど、どうしてもそのことをみんなに聞いてほしいみたいで話をやめない。

 

ま、少しくらいなら、と聞いていると、ささいなキッカケから大きく膨らんだケンカはなんとお父さんが包丁を持ち出すまでの騒ぎになったんだとか。いやいや、お父さん、それはあかんよ、と思いながら「怖かったね」と声をかけると、思い出しながら涙ぐんでいる。

そもそものきっかけは彼女のお父さんがお兄ちゃんの習い事のお迎えに行ったこと。
『おじいちゃんとお父さんとどっちが運転が上手いか?』という、こう言ってはなんだけど、そんなどうでもいいことが発端だったらしい。

 

とにかく怒り出したお父さんが「習い事なんか全部やめさせる!」と息巻いて(なぜそういう流れに?)、お母さんが「やめさせない!」と言い争ったあげくの包丁騒ぎだったらしい。お母さんが手に持っていたブドウが宙を舞う事態に、お兄ちゃんが泣いて「やめて!」と叫んで、なんとかその修羅場は収束したんだとか。

 

どうしてそこまで子供の前でケンカするかなぁと思ったけど、気になったのは彼女の気持ち。「Aちゃんはお父さんが習い事やめさせるって言った時どう思ったの?」と聞いてみると、「習い事、あんまり好きじゃないしやめたいといつもは思っていたけど、やめるって言われたらやめたくないって思った」って返事が返ってきた。そう答える様子が一生懸命でいじらしくてジーンってきちゃった。

「Aちゃんはえらいね」と言うと、にっこり笑ってくれた。

 

それにしても、お父さん、習い事をやめるも続けるも本人の意思ですからね!
もちろん本気ではなかったんだろうけど、子供には分からないからなぁ。

 

こういう話を聞くときでも子供たちのリアクションは明るい。「えーー!めっちゃ怖いやん!」とか言いながらなんか楽しそう。自分の身の上に起きたらえらいこっちゃやけど、まだそこまで想像力ないからね。でも、その明るいリアクションがいいのかもしれない。