思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

謎の歯の痛みに悩まされた話①

歯ブラシとリンゴ


去年の秋ごろ、わたしは歯の痛みに苦しめられていた。正確に言うと数年来苦しめられていた「歯がしみる」という悩みに加えて、その頃は噛む時に歯が痛むようになっていた。
右側の歯が痛くて物が噛めない。だから左側でばかり噛んでいた。片側だけで噛むというのは…一度試してみてほしい、ちょっとの間ではなく、一回の食事をまるまる片側の歯だけで噛むというのは…

 

そう、かなり疲れる。

 

数年前に歯がしみ始めたころ、当時かかりつけだった歯医者さんに相談した。
すると…
「うーん、そんなに歯がしみるほど悪いようには見えないんですよね。しみ止めを塗りますから様子を見てもらって、しみるのが続くようならまた来てくださいね。」と言われた。しみる現象は続いたのでわたしは再び診察に行った。

しかし、同じことを言われただけだった。


わたしには一つ疑念があった。というのも、わたしには生まれつき永久歯のない歯が2本あり、そのため40代半ば(当時)のこの年まで乳歯がずっと頑張ってくれていたのだった。しみているのはその歯だと思っていた。もうこれはさすがに抜き時なのではないだろうか?

しかし歯医者さんは「自然に抜けるまで置いておいた方がいいですよ、全然グラグラもしていないし」と言って、抜くことを拒否した。
仕方なくわたしはだましだまし歯と付き合っていた。果物などは歯にしみるため、あまり食べなくなった。

 

そのうちコロナ禍となり、今、歯医者に行くのもなぁと我慢していた…けれど、だましだましも限界となり、また歯医者に行くことにした。

 

今度は歯医者さんを変えた。しかしまたもや同じことを言われた。ただ2人目の歯医者さん(美人の女医さん)は「どうしても抜きたいんならその後はインプラントがいいわよ」と勧めてきた。
「費用はどれくらいかかりますか?」と聞くと
「う~ん、40万くらいかな~」と言う。
「どれくらい持ちますか?」と聞くと
「人によるんだけどね…まぁ10年は大丈夫よ。人によっては20年使う人もいるからね。そう考えたらそんなに高いこともないでしょ?」と言われた。
10年だったら1年4万円…まぁ、セレブの先生には安いのかもしれないけど、わたしには1年4万が安いとは思えないんですが…と思った。そこで抜いてもらったら、インプラントの波にのまれそうで怖かったので、そこに通うのはやめることにした。

 

そして去年の秋、しみるのに加えて痛み始めた歯に耐えかえねて門を叩いた3人目の歯医者さんも「うーん、そんなに痛みますか?見た感じそんな悪くないし、レントゲン撮っても虫歯もないしね…」と言う。
そしてわたしの歯に風を当てながらしみたら教えてくれと言う。
するとわたしが一番しみると答えた歯は例の乳歯のとなりの歯だった。
「一番しみてるのは隣の歯だし、抜くのはできるだけ避けた方が…」と控えめに言う先生に、わたしも初診から強くでることはできず、「わかりました」と引き下がった。

 

しかし、わたしの中には「あの乳歯が痛みの原因」という思いが消えなかった。歯医者さんはわたしが痛いと思い込んでるだけと思ってるみたいだけど、そうではないのよ、と。

 

とうとう噛む時だけでなく、ずーーっと歯が痛むようになった。次の予約が1週間後に入っているにも関わらずわたしは歯医者さんに電話した。「やっぱり、痛いんです。抜いてもらえないでしょうか?」と訴えた。
「痛みますか?」と聞く先生に
「朝から晩まで歯のことを考えています」と答えると
先生も腹を括ってくれたようで、かなり気が進まない風ではあったけど、「分かりました、抜きましょう」となった。

 

さっそく翌日歯を抜いてもらう。抜いた瞬間は「これで歯の痛みから解放される!」とかなり晴れ晴れとした気持だった。

娘が歯を矯正するために抜いたときは歯医者さんは抜いた歯を渡してくれたから、わたしも自分の歯をもらえると思っていたけど、歯医者さんは歯をくれなかった。
50年も共にしてきた歯(厳密には生まれた時からではないけど、まあ、細かいことは置いといて)なのに…と思ったけど、いい年をして「歯をください」というのも、なんとなく恥ずかしく、My乳歯とはその場でお別れとなった。

 

歯を抜くとその後しばらくはマメに歯医者に行って様子を見てもらわないといけない。「痛みの方はどうですか?」と聞かれ
「おかげさまですっかりなくなりました」と答えると
「よかった」と歯医者さんも嬉しそうだった。
抜いたはいいけど、痛みが治まらなかったらどうしよう?と歯医者さんもおびえていたのね。

 

こうして歯の痛みから解放されて、抜いたところも順調に傷が治ってきれいな歯茎になってきた。まだとなりの歯が少ししみるけど、これは許容の範囲内。

 

こうして長い長い間、苦しめられた歯の悩みは解決した…

 

と思ったんだけど…

 

歯を抜いて2~3か月たった頃、少しずつまた歯が痛み始めていた。いやいや、気のせい、気のせい…きっと神経質になっているのね…
そう思いたかったけど、歯は確実に痛んでいた。