思いつくままに日暮らし

とりあえず始めて何も決まっていません。思いついたことをあれこれ書いていく予定です。

おじいちゃんのお気に入り

家族を象徴するもの


父が「東京に行きたい」と言い出した。
わたしは6月に東京に行ったところだったので、旅行に行くなら違うところがよかったけど、父は東京在住の兄家族とコロナ禍以来会えていないので、兄ファミリーとも過ごせる東京に行きたいようだ。

 

最近の父の殺し文句は…
「もうわたしもいつ死ぬか分からんし…」というもの。
(いやいや、お父さんまだまだ長生きすると思うで…)という心の声はあるものの、確かに高齢者にとって一年は大きい。御年81の父の気持ちを考えると、先延ばしはできない。

 

さっそく妹と相談して、日付を決める。父とわたしはいつでもいいので、仕事をしている妹の予定を聞くのが、家族のイベントでのお約束。
まだ夏休みが残っている妹と相談して、9月9日の週末&翌月曜日の日程で行くこととなった。

 

「Kちゃん(わたしの夫)に申し訳ないから、あんたの旅費はこっちで持つしな」という父。
「いやいや、パパも行っておいでと言ってくれてるから気にしないで」と言ったんだけど、父が譲らないので甘えることになった。

夫は父の大のお気に入り。
「実子であるわたしたちよりKさんが好きやで」と妹は言う。多分わたしの最大の親孝行は、夫と結婚したことだと思う。妹は「わたしが誰を連れてきてもKさんより気に入られることはないと思う」と言っている。そのせいかどうかは知らないけど妹は独身のままだ。

 

とにかく夫は愛想がよく、酒の席での振る舞いが上手い。夫の田舎は人付き合いが命みたいなところがあるので、子供の頃からそういった習性が染みついているのか?とも思ったけど、義両親はどちらかと言えば愛想がない。誰に似たんだか。

 

わたしたちがうちの実家に行くと
「これKちゃんに食べてもらおうと思って」とか
「Kちゃんが飲んでくれへんと」とか
とにかく夫に飲み食いを勧める父。
夫のほうもそれに愛想よく、「いやー楽しいなぁ!」とか「お義父さん、ほんまによく気がつきますねぇ」なんて言いながら、ほんとうに楽しそうに飲み食いしている。

後片付けなんかをちょっとでも夫が手伝おうとすると
「Kちゃんにそんなことさせんといてや」と父からわたしたちが叱られる。

 

でも、彼は本当に自分の実家よりうちの実家のほうが気兼ねなく楽しめるらしい。
なぜか自分の実家のほうが親戚などに気を遣って疲れるんだとか。
親戚と言うか自分の親にさえ気を遣っている。
娘たちは「パパってなんであんなにおじいちゃん、おばあちゃんに気を遣うんかな?自分の親やのに」と不思議がっている。

 

高校生の頃から実家をでて一人暮らししているから、親と言っても少し距離があるのかしら?(夫の実家から通える高校からは大学進学が厳しかったので、進学希望だった夫は下宿生活をしていた)

 

何はともあれ、夫はみんなが認める『おじいちゃんのお気に入り』。

めんどくさいことは全部わたしがやって夫は飲んだり食べたりしてるだけなのに…という思いもあるけど、夫が実家と仲良くやってくれることはありがたいことだと思う。

 

とはいえ今回の東京旅行は初の父娘3人の旅行だ。
父にはしばしお気に入りの婿のことを忘れて、わたしたちと楽しんでもらいたい。