「自分にケチになったらええんや」
これは昔お世話になった上司が言っていた（わたしにとっての）名言である。
ランチを食べながら何人かで話していた時のこと、
（わたしが勤めていた職場では、上司や先輩とランチに行くとごちそうしてもらえることが多かった。一歳しか年が変わらない後輩とランチに行っても、とりあえず初回はおごっていた気がする。）
とある人がケチだという話になった。
「あの人、いっつも全然財布出さへんねん」
「飲み会とかでも上の人は行かなくてもご厚志くれんのに、それも１回もないしな」
などなど…
考えてみると参加しない飲み会にご厚志まで出さなくてはいけないなんて、そんなことはやめようって今なら思うけど、当時の職場ではそれが当たり前だった。
あの人は確かにケチやと思うし、（失礼ながら）顔つきにもそれが出てるわ、と思いながら
「でも、ケチじゃないとお金が貯まらないらしいですよ」とわたしは言った。
すると上司が件の名言
「自分にケチになったらええんや」を言ったのだった。
みんな「おーーー！」となり、「なるほどね…」と納得したのだった。
これってお金だけじゃなくて、あらゆる場面で言えることだと思う。
例えば
「自分ばっかりやらされてる」とか被害者意識Maxになった時とかでも、『自分にケチになろう』＝『他人に気前よく』って考えたら、なんか気持ちが救われる。
もちろん、無理難題を引き受ける必要はないし、自分がすり減るほどやる必要もないけど、わたしのようにすぐ愚痴っぽくなる人間には必要な考え方だと思う。
最初っから頑張り屋さんの人がさらにこう考えるとやり過ぎで疲れちゃうかもしれないので、やめといたほうがいいと思うけど。
残念ながらその上司の方はがんでまだ現役の間に亡くなられたんだけど、今でも時々、面白い人やったなぁって思い出す。
Tさん、あの名言、まだ覚えてますよ～。
